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コスパの悪い余剰電力買取制度


住宅の屋根に太陽光パネルを乗せて、家で使う電力を賄い、余った電力を電力会社に買い取ってもらう制度は以前からありました。 余剰電力売電というやつです。

でも、これには全く興味が湧きませんでした。なぜなら、補助金分を差し引いても設置費に200万円ほどかかって、これを回収するのに10数年かかるということでしたから。また、わが家のような瓦屋根の古い住宅では設置が難しいだろうとなんとなく思っていたのです。




全量買取制度のメリット

それが、2011年の福島第一原発事故後、当時の管直人首相が辞任と引き替えに再生可能エネルギー固定価格買取制度を成立させてから、 全量売電が可能になったことで、事態は一変しました。 平地にパネルを並べて発電し、その電力を電力会社が購入してくれることになったからです。
全量売電制度には次のようなメリットがあります。


(1)自分で使うより売ったほうが得
電気の買取価格は調達価格等算定委員会が決定しますが、太陽光発電の全量売電単価は2012年度で1kWh(1kWの電気を1時間発電した量) 42円(消費税5%込)に決まりました。 一般家庭で購入する電気は1kWhあたり23円程度(基本料金を除く)ですから、自家消費するより売電したほうが得になるわけです。
その後、売電単価は2013年度が37.8円、2014年度は34.56円(消費税8%込)と低下しましたが、なお、購入単価よりも高めに設定されています。


(2)自作が可能
屋根の上にパネルを設置するのは素人にはちょっとハードルが高いと思います。私も自分で屋根の上に設置することは考えたことがありません。 ところが、平地に設置するとなれば、ちょっと頑張ればできそうな気がしませんか?
問題は基礎の部分です。コンクリートで基礎を作るとなるとやはり日曜大工の域は超えてしまいます。ところが、素人でも可能な方法がありました。 単管パイプをハンマーで打ち込むという非常にプリミティブな方法です。
これならば私にもできそう、そうすれば設置費を安くできる、うまくいけば5年で回収できるのではないか(土地代を除いて)と胸算用を始めました。




地域でお金を回せる

再生可能エネルギーは、太陽光・風力・バイオマスなど、田舎向きです。使われない土地があちこちにある田舎こそ、コストを抑えて発電所を作ることが可能です。
これまで田舎の人たちが支払った電気代は、電力会社(大抵は都会に本社がある)やその株主、社債保有者にすべて回っていましたが、 その一部を地域に取り戻す可能性を秘めています。考えてみれば昔の燃料(炭や蝋)は田舎で作られていて、貴重な現金収入だったわけです。 それが石炭・石油・原子力に替わって、田舎は収入源を失うどころか、光熱費としてお金を都会や海外に支払うようになってしまいました。 再エネ固定価格買取制度によって、また田舎がエネルギーの生産地となるチャンスが巡ってきたのです。お金の流れを変えられるかもしれません。
もちろん固定価格買取の原資は日本全国の家庭や企業なので(再エネ発電賦課金という名前で電気代に上乗せされています)、田舎の人や企業も再エネ買取価格の一部を負担しています。 しかし、自前で発電することで賦課金よりもより多くの収入を得ることができます。そしてそのお金を田舎で使えば、少し田舎の金回りがよくなるでしょう。
ところが、せっかくのチャンスが到来したというのに、資本力のある都会の企業が田舎に次々とメガソーラー(1000kW=1メガワット以上太陽光発電所)を建設するようになりました。 これではお金の流れは変わりません。土地売却収入は入りますが、それは一過性のものですし、太陽光発電所は雇用もほとんど生みませんから、建設後はお金が落ちません。 私はソフトバンクの孫正義社長を尊敬していますし、だれが作ろうと再エネは原発よりははるかにましだと思っていますが、 せっかくのこの全量売電制度を、より有意義なものにするためには、田舎の遊休地を持っている人たちが、一人でも多く全量売電を始めることだと考えています。そうすれば20年間一定額が入ってきます。田舎が少し元気になります。
そのために、だれでも少し頑張ればできる、低コストの自作太陽光発電所を普及させることが重要なのです。
大宮直明(太陽光発電アドバイザー)




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